マロニエ王国の七人の騎士 岩本ナオ 最新4巻まで
岩本ナオ先生。今、一番好きな作家さんです。初めて知ったのはこのマンガがすごい!で賞を取った「金の国 水の国」。その岩本ナオ先生の現在連載中の作品がこれ「マロニエ王国の七人の騎士」です。もともとファンタジーテイストの牧歌的なストーリーが特徴的な作家さんですが、この作品ではその魅力が最大限に発揮され、優しい世界と深い謎が美しい絵で描かれており先が気になりすぎるマンガに仕上がっております!深く練られたストーリーで、巻数が進むにつれますます謎が広がっていき先が全く読めません!最新刊の4巻、あんな展開、誰が予想していましたか!?絵柄は穏やかな絵本の様なのに、この重厚な世界観・・・たまりません・・。
ネタバレなしです!!
ストーリー
マロニエ王国は周囲を7つの国に囲まれた平和な国。その国の女将軍バリバラには7人の息子がいる。それぞれ特徴的な名を持つ7人は名の通りの特徴を持っていた。眠くない、博愛、あつがりや、さむがりや、剣自慢、獣使い、はらぺこ。変わった名を持つ息子たち、なんとそれぞれ騎士長として周辺の国に赴くという大役を仰せつかるがどうやらその外交には本人達の知らぬ思惑が隠されているようで・・・。
まず7人の息子たち、イケメンばかり。騎士でイケメンと女の子の夢はしっかり叶えてくれている所はさすが。この息子たち、個性は様々ですが家族思いでほっこりさせてくれます。兄弟でのやりとりも楽しくて大好き。お城での暮らしや美しいお姫様、素晴らしい絵で魅せてくれます!絵を見てるだけで癒される・・。そんなあたたかい空気にどことなく不穏な陰を忍ばせ、これからの展開に不安を感じさせる手腕もさすが。ていねいに描きこまれた美しい世界に神秘的なミステリー、まるで神話のような深いストーリー展開です。
1巻
さむがりやが身分を隠したお姫様を好きになってしまいます。それがキッカケとなりお姫様の縁談を邪魔する存在が明らかに。そして長男の眠くないが幼馴染で国を代表する戦士であるエリーを連れ夜の長い国へと出発しますが・・。
2巻
少しずつ明かされる夜の長い国の事。この国ではなぜか眠くないの事を"夜"と呼んでいて彼を自国に留めようとする不穏な動きを見せてきます。いきなり婚約者となった眠くないとエリーはお互いの気持ちをつかみきれず・・。
3巻
いきなり夜の長い国を襲ってきた正体不明の侵入者。氷と炎、その上獣を扱う強敵にエリーが眠くないを賭けて一騎打ち!そして国全体に深い闇が訪れて・・現れたのは?
4巻
新章がスタート。マロニエ王国の行方不明となった外交官のサトゥルノを捜索するために五男の獣使いが動物の国に向かう。国民がすべて動物の姿に変えられてしまった動物の国。サトゥルノが長く探し求めていたフラカンとは・・。
2020年2月10日に最新刊の4巻が発売されました。4巻では動物の国へ旅立った獣使いの冒険が描かれています。これまた予想外の展開で・・なんとなく予想していた流れとは全く違う衝撃事実も発覚です!!これだからやめられないんですよ・・面白すぎる!!ストーリー的にもビックリの4巻ですが、私的に最も驚いたワンシーンはそう、あそこなんです!どなたかと共有できるでしょうか・・。
読み進めるにつれ、細部まで練りこまれたストーリーがあらわになっていきます。次々と一体なぜ?どういう事?という疑問があふれて続きが気になってたまりません!! しかもひとりひとり心理描写も丁寧で、流れる言葉が感動的で・・・。いつもボロボロ泣きまくっております。すごく、すごく優しい世界が広がっています。
この作者さんの作品はどれもそうですが、お涙ちょうだいな設定でもセリフでも演出でもないのにすごく効果的に心ゆさぶってくるんですよ・・。むしろセリフは淡々としてて言葉少なめなんですけど。どうしたらこんな優しくて美しい世界が創れるんだろう・・と感嘆するばかり。そしてこんな幾層にも重ねられた世界観。ほんっとに大好きです!!チカラいっぱい、おすすめする最高の物語です!!
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